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耕すことの四方山話

19 ホイールローダの農業利用

東洋運搬機がアメリカのボブキャットを扱い、道内酪農家の多くが使用するようになってきました。

ある時、東洋運搬機の役員がやってきて、ホイルローダについてコメントを求められました。ボブキャットに日本風な改良が加えられ販売台数を増やしていたので農業に興味を持ったのでしょう。良い気になって、「農業は運搬量の多い産業で、運搬はシステムとして整備されるべきだ。例えば、欧米では資材や農産物の運搬にトレーラが使われるが、北海道では一般産業用ダンプトラックなので農業者は必ずしも満足していないし、収穫機と圃場を併行作業する時には低速ミッションも必要となり、軟弱路盤対応に四駆は当然で、タイヤにも工夫がなければいけない。ホイルローダは形態からすれば、百馬力級のトラクタとして併用できる可能性がもあり、農業の多様性つながるのでないか。」と、思い付くままに話してしまいました。

暫くして、競争の烈しい世界だが、何か新基軸を打ち出す必要があるのでローダトラクタの利用について取り組んでみたいと、東洋運搬機からの申し出があり、本気となるとは考えていなかったので、些か慌てましたが、退くこともできないので、改良機の性能試験を行いました。

アートキレート操舵ですが、以外とけん引力があり、心配されたプラウ耕起もスムーズに作業できました。燃費に悪影響な油圧駆動走行については、けん引作業等を続ける場合に、ミッションから直接動力を伝達するように改良するとの回答もあり、順調に試験を終えることができました。

発売された製品は、展示会で注目を浴びましたが、農家はホイルローダについて中古購入がを習慣です。開発公社は事業から撤退を始めていた時期でもあり、また、農業機械の補助制度も縮小の傾向にあったので農業機械でないホイールローダは対象になるのは困難という状況にありました。価格も若干割高になっていたので、現場の人達は優れた製品と認めてくれても販売量は増えませんでした。

それから十数年を経て、フランスの実演研究会やドイツ展示会に、ホイールローダがトラクタととして羅列されているのは驚きでした。我々は見込みのないことを研究開発していた訳ではなく、ただ少し時代が早かったと思われます。メーカーから当時の資料が欲しいと言われると、今にして救われたような気持ちです。

東洋運搬機は、前段の農業用トラック開発にも取り組み評判となりました。試作一号機は試験した農家に気に入られ、そのまま売り渡した程でしたが、その刺激を受けたトラック専門メーカーが一斉に改造に取り組んでしまい、大量販売に繋がりません。

メジャーの販売力にはとても敵いませんし、農家は保守的な人が多いですから販売店を簡単に変えることもありません。

砂漠の国からの特注に応え細々と生産するに過ぎませんでした。トラックの改造に対して、企画開発段階から大メーカーが積極的に関わってくれると良いのですが、量産に結びつかないと、取り組んでくれなかったものです。しかし、これを契機に農業用のトラックが形を整え、農業に広く利用されるようになりました。

 

19-01 ホイルローダによる耕起作業

ホイルローダの操舵はアートキレート式でしたが、近年は姿を消してしまいました。操舵法が進歩し、前後輪アートキレート式の操舵も可能となり、同じ方向に操舵して機体を横に平行して走らせることもできます。機体の後部に三点ヒッチが取付けられており、大型トラクタに引けを取りません。