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耕すことの四方山話

04 ボトムプラウに対する反論

どんなに良いものでも反論はでるものです。ボトムプラウ耕も色々な反論に晒されています。

馬鈴薯栽培研究者から「30センチ耕起していると言うが、15センチしか耕起されていない。これはどういうことか」と詰め寄られました。その畑を調査してみると、地表から15センチ下が固くなっていました。確かに25センチ以上耕起する設定にしているのに何故だろう、と考えながら原因を探ってみると、ロータリハロー砕土時に発生するトラクタタイヤの踏圧によるものと判明しました。

ロータリハローを掛けると表面の仕上がりは綺麗ですが、タイヤの踏圧列はその下に残っています。タイヤの踏圧で凹んだ場所に土を寄せて表面を平らにしているだけのことです。湿った土壌水分で2回掛けすると、下層は60パーセント以上が踏め固められていることになります。

これを理解した農家は、ロータリのルーズナ(タイヤ消し)を深く作用させるべく改良して取り付けたり、ポテトプランタにルーズナを取り付ける等して対応していますが、一般的には関心が薄く残念です。一寸した手当が作物を健全に生育させます。優れた農家は、その一寸した手間を惜しみません。

ロータリメーカーもルーズナを取り付けてはいますが、プラウ耕の底部まで作用しないのは意味が無いと図示しても、構造の複雑化による価格の上昇を危惧してか、まったく動きません。ナイフ一本でも効果があるので、理解して欲しいところです。ボトムプラウを活かすためにも、真剣に考えて欲しいと思います。

そんな折、H大学のS准教授が、ボトムプラウによる耕起は、土を固めるだけで意味が無いと講演し、雑誌にも掲載されました。この意見に賛同する農家も多く出て、「チゼルによる簡易耕が良い」と言われると、どうしたものか困ってしまいます。

彼は、15センチ下に出来ている耕盤が、ボトムプラウによるものだと糾弾していますが、ボトムプラウの構造・作用からして考えられることではありません。まるで分かっていないのですが、大学の先生による発言となると、それを信用してしまうものです。世論は一時期そちらに傾きましたが、冷静に考えるとやはりおかしいことに気付き、一時は傾倒した多くの農家が、それを繰り返す愚を悟り、土壌の保全や雑草対策などからボトムプラウを復活させているようで、先ずは安心です。

同じ大学の先生に、この件について聞いてみると、実に困ったような顔をされました。控えて欲しいと思うものの、押さえようが無いと苦笑いでした。

現地を知らない研究者が増えているのは、困ったものです。

農業は、基礎をしっかり身に付け、現地に足を運び、現場で理解することが大切です。

コンピュータの操作に長けていれば良いと考えているようですが、コンピュータは道具であり、それだけで研究の形を整えるものではないことを知るべきでしょう。

 

04-01 ロータリーハローによる砕土・整地
ロータリーハローの砕土・整地は。仕上がりが綺麗である。しかし、トラクタのタイヤの踏圧列が約15センチ下にそのまま残っている。

 

04-02 村井農場試作のルーズナ
プラウ耕時のれき底まで到達するようにしている。タイヤによる踏圧列は砕かれ、全層ほぼ同一の条件に整地されて根の下層への伸長を妨げない。

 

04-03 輸入バーチカルハローのルーズナ
プラウ耕の底部にまで作用させることができる。国産のロータリハロー(横軸型)にもこの種の工夫があってよい。

 

04-05 前装サブソイラの利用
前装サブソイラはヨーロッパで多く使われているるトラクタに装着し、これに播種機やポテトプランタなどを連結する考え方である。ロータリハローにルーズナが取付けできないのであれば、サブソイラを2本、トラクタのタイヤの中心にしてロータリハローを使用すればよい。写真の製品は後装作業機にPTOを連携する機能が装備されている。