情報配信

   スガノ農機の現況について正しい情報を配信しております。
現状のコーポレートサイトには事実と異なる内容が含まれておりますのでご注意ください。

耕すことの四方山話

11  澱粉粕の堆肥化

馬鈴薯澱粉工場からは膨大な澱粉粕が排出されます。脱水機が開発されるまでは、この粕の始末に難儀しました。含水率が98パーセントでは、畜産農家が飼料として活用しようにも、トラックに積み込めば水が出て道路に滴り落ち運搬に手こずったのです。有機物資源として圃場に散布するとしても誰かの畑から病原菌や害虫が運ばれたとすれば、それを蔓延させてしまう可能性もあります。安全確保のために、熱処理をするとしても経費負担が問題になり、これも望めません。

士幌町では、山麓の酪農団地と平地の畑作団地を結び付ける事業を展開していました。乳牛の牡牛を肉牛に育成しますが、500頭規模の育成施設が畑作地帯の中枢に位置しています。堆厩肥が畑作に利用されて合理的です。この堆厩肥に澱粉粕を混合して堆肥化すれば良質の堆肥が造成され、発酵熱で澱粉粕の消毒もできるので、一石二鳥と考えました。結果として、澱粉粕を堆厩肥に混合すると発酵は迅速となり、ミミズは澱粉粕を好むようで、湧くように繁殖しました。

病理の担当者が、その堆肥化に着目し、豆殻なども堆肥化できないか相談してきました。
落葉病が発生した豆殻は、焼却処分しか方法がないので手間が掛かっており、堆肥化できれば、有機物資源の活用になるとの提案でした。早速、澱粉粕に羅病した豆殻を混合して堆肥化すると、発酵が早く良質な堆肥が造成できるだけでなく、この堆肥を圃場還元すると、どう言う訳か落葉病が発生しないことが分かりました。

発酵時の温度は50度から60度に上昇し、この温度は、消毒の理想と言われる低温消毒の範囲です。当然、落葉病は死滅しますが、この堆肥を使って落葉病が発生しないのは、どういう理屈かは、解明できませんでした。発酵過程で免疫性が発現しているためか、あるいは拮抗性か抵抗性か、試験を3年繰り返しても同じ結果であったので、これも一つの生物防除であろうと評価することにしました。
神様は堆肥造成にそのような機能も与えたのでしょう。真面目に良質堆肥を作る努力は決して無益ではなく、循環農法の中でもっとも合理的と言っているようです。

国の研究機関がこの試験に注目し、神様の思し召しの表現では、折角の成果が野暮ったいので、内容を明らかにすると大きく出ました。三年間同じ成績だったので間違いないとは認めましたが、私たちと同様に原理は解明することはできませんでした。
自然界の摂理は、そう単純ではなようです。