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耕すことの四方山話

21 ロボットトラクタ

15年程前に通産省の予算でロボットトラクタの開発に北海道勢が取り組みました。北大の農学部に工学部、道立農試に作業機メーカーの協同研究開発です。丁度、精密農業が話題になっていた頃でした。

当初は、コンバインで小麦を収穫する際に位置別の収量を記憶させ収量マップを作り、「収量=地力」と考え、地力に応じて施肥量を加減することでムダな資材は使わないとする局所施用技術を北海道風にアレンジして実用化すべきの意見もありましたが、すでにヨーロッパで一般化していたので、日本の研究者が新たな研究開発テーマとして取り組むのは如何なものかとされました。また、「収量=地力」で本当に良いのかという議論もあり、正確に地力を予想するためのデータ測定は、非常に難しいと結論され、将来の労働力不足を想定したロボットトラクタの開発を行うことになりました。

カーナビケーションが普及拡大している中、自動車メーカーが進める自動走行についての研究は、実用化に向けて相当なレベルに達しているらしいとの情報がありました。低速で走行するトラクタは、自動車より実用化しやすく直接的な需要もあると考えられました。

このテーマには3年計画で取り組みましたが、関連技術の進展が凄まじく、2年目で実用に耐えうる無人自動走行トラクタが開発できました。

トラクタ用スプレーヤの場合、格納庫から圃場に出る、枕時でブームを開く、その後スプレーを開始しがら走行します。到達した枕時を回行し次の作業をしながら戻ります。これを記憶させておけば、次回からは無人で正確に作業できます。トラクタの走行のズレは±5センチの精度に収まるので、実用上の支障も殆どありません。

ロボットであれば、夜間の作業も可能で素晴らしい発明と言えます。これならば、直ぐに実用化というのが人情ですが、GPSで精度を維持しようとすると非常に高価となり、費用対効果の関係から、見合った価格での開発できるまで時を待たなければなりません。しかし、技術は日進月歩で進んでおり、極めて近い将来に製品化されると思います。

酪農の自動搾乳機を率先して導入した酪農家は、高い資本を投ずるのですから、どんな個体の牛でも搾りたいと考えます。メーカーはその要望を満たすために、幅広い個体差に適合させるために機器を複雑化し、その結果として高価となり普及面での実用化は遠のきます。自動搾乳機が発表され実用化試験を始めた頃、これを一般化するのは難しいと考えられていました。

元来、機械は使用する前提条件を整備して能力を発揮するものです。

そうこうする内にそれに気付き、自動搾乳機に馴染まない牛は除外すれば機械が単純化され、多くの酪農家が使える価格になります。利用台数が増えると技術の改良開発が進展し、さらに性能が向上し、安い価格で利用できるようになります。

そして、現在では自動搾乳機の利用は当たり前になっています。

効率化や省力化を望む実需者があり、それに応えたいメーカーが時代から提供される技術を正しく活用していけば、人間の世界に不可能はないと思います。

カーナビも当初は30万円以上しましたが、現在では各段に性能が良くなりながら価格は十分の一という時代です。

ロボットトラクタが農業者の要望を満たしながら自由に使われる時代は、そう遠くないと考えられます。

 

21-1 北海道の研究機関が開発したロボットトラクタ

コストパフォーマンスよりも、無人で正確に走行することを研究のテーマとし、高価な先端的な部品を多様し可能性を見出すことができました。それが実現できれば次は実用化に向けての研究に繋がります。

 

21-2 上富良野での研究会

事前に走行し、これを操舵装置に記憶させておけば、その設定通りに無人で作業できました。実際の防除作業でも±5センチの誤差でしたので、作物列を踏み潰すようなことは全くありませんでした。

 

21-3 半自動ロボットトラクタ

作物列を認識して走行するトラクタ。オペレータは作業時の操舵はせず、正確にカルチベータが作業できるかどうかを注視するに止めています。枕地での停止、回行はオペレータが行いますが、オペレータの疲労を少なくすることや、未熟なオペレータでも作業できるなどのメリットがあります。