2021年 上期 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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農業と工業 人類は、試行錯誤を繰り返しながら最も自然と連携が取れる形で作物を育て、収穫する「業」として農業を続けてきました。 しかし、現代の農業は「原料とエネルギーと生産手段で物を造る」という工業的な発想に取り込まれ過ぎているのではないでしょうか。「工業は物を造る」「農業は育てる」この違いを認識することこそ農業の経営を考える基本だと私達は考えます。 耕すのは、一割の「種を蒔くため」でなく、九割の「自然とのより良い連携を可能にする仕組づくり」のため。見えない部分、即ち地味豊饒な大地こそ永続的な農業の「鍵」であると思います。稲作と畑作は異業種 化学肥料、農薬、燃料等で使われる農業のためのエネルギー総量は、植物体が吸収する太陽エネルギーを上回り、消費者はお米や野菜の形をした石油を食べているとまで言わています。どうやら私たちは間違った道を歩んできたのかもしれません。【表1】10アール当りのエネルギー収支比較表 内容年間投入カロリー年間総産出カロリー地目作物畑水田トウモロコシ化学肥料170,000kcal(25.9)162,000kcal(24.7)158,000kcal(24.0)167,000kcal(25.4)634,000kcal(100)657,000kcal(100)450,000kcal(71)2,160,000kcal(333)980,000kcal(226)機械(製造エネルギー)燃 料投下労働力子 実葉茎・根資料の出所●畑(ミシガン大学 ホーグストローム教授)●水田(京都大学 川村名誉教授)計1,430,000kcal(226)計水稲永続的な農業のための一年毎に土が良くなる考え方 そこで私達は、年を重ねるごとに農業の基本である土が良くなる基本思想として「積年良土」を提言したいのです。 表1は畑作と水田、10アール当たりのエネルギー収支の比較表です。 水稲(子実)の場合、65万7000キロカロリーの投入で、算出が216万キロカロリーというように、いかに付加価値の高い作物であるかが解ります。一方、畑作のトウモロコシでは投入63万4000キロカロリーに対し、産出45万キロカロリーで7割しか戻ってきません。子実比較では3割の赤字になります。 畑作では、残渣を有機物として還元せずに栽培を続けると、養分の収奪により荒廃することは明らかです。稲作と畑作の経営は異業種のごとく大きな差のあることをまず知るべきであります。116

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