2021年 上期 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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5. 脱収奪・荒廃、挑む生命産業有機物循環農法で農業を生成発展させよう 畑から持出す量よりも多くの量を戻すこと、これが地力維持の鍵だといわれています。減反政策の落し子のように休耕田、荒廃田が点々と見受けられます。このような荒廃や収奪から逃れるためには、輪作による栽培体系と、堆肥や緑肥の組合せが必要です。言うなれば有機物循環農法です。有機物循環農法の実践が、生命産業と呼ばれる農業を生成発展させる唯一の手段であると考えます。 北海道の農家グループ「土を考える会」の故勝部徳太郎翁は「農業は大地に鍬で彫る版画なり」と言っておられます。大地に美しく刻み込む一彫りの努力に自然は必ず応えてくれます。その中にこそ、自主独立、そして豊かな農業が在るはずです。自然との連携を識る一人の農民の意志と、努力と、タダで我々に与えられている自然の恵みとが肥沃な大地を育てています。そして、その有機物循環農法はボトムプラウを使うことで容易に行えるのです。4. 脱過粉砕、挑む耐水性団粒空気、雨水、微生物の貯蔵庫を地中につくろう 有機物に富んだ土が適度の水分を含むとパラパラと崩れる。土は本来、自然に砕けるものです。 ロータリで細かく砕土して、いかにも播き床として素晴らしい畑ができあがっている風景をよく見かけますが、実際にはどうでしょうか。 表4は耕耘法の違いによる雨水の浸透について京都大学・川村名誉教授によるデータです。 空隙に大差はありませんが、雨水の浸透率はプラウ耕16cmに対してロータリ耕は2cm。ロータリで機械的に土を砕くと単粒化が促進し、それが固まって被膜状になり水を透さなくなることを示しています。 有機物に富み、微生物がバランスよく活性していると、土壌は団粒化していきます。その団粒中の空隙は、水や空気の通り道だけでなく、根が伸びる空間として素晴らしい構造になります。 ところが、過粉砕により、これだけ水に恵まれた国でありながら、地域によってはスプリンクラーのお世話にならないと水のコントロールがきかないところがあります。【表4】耕耘法による土壌空隙と雨水浸透深(耕深15cm) 雨水の浸透深:1時間あたり125ミリの雨量の場合、初期地表面から流出が生ずるまでに浸透した深さ耕耘の種類項 目空 隙麦畑土の凹凸雨水の浸透深未  耕  土8.0%0.75cm0.88cmプ ラ ウ 耕13.5%4.90cm16.85cmプラウ耕+ハロー掛け12.3%2.50cm5.25cmロ ー タ リ 耕11.5%1.53cm2.35cm一時的な多雨で冠水したコーン畑(ロータリ耕後) 土は、本来、水も、太陽も、空気も、全部貯蔵できる“ポンプ室”を備えています。雨が降らない旱ばつの時には水を送り出し、雨が多い時には水を吸込んでしまうものです。 そして、水の上がり下がりに伴って酸素が土の奥深くまで入っていくものなのです。この様なポンプ室、耐水性団粒の構造が、永続的な農業の基本体系で、機械化はあくまでも手段なのです。 空気、雨水、微生物の貯蔵庫を地中につくる仕組こそ大切です。118

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