2021年 下期 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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乾田直播って何だ?!組む経営者としての刺激にもなります。少し技術の話も広げてみましょう。直に種籾を播種する米づくりは、先進国では当たり前と言いましたが、北海道での技術確立の原点はイタリア北部の稲作地帯にあります。イタリアで13世紀頃から始まった米の移植栽培は、様々な変遷を経て1970年代からは直播栽培が主流となっています。米の産地であるイタリア北部は、冬寒く、寒暖の差も大きな地域で、ポー川からの灌漑が得られる以外、穀類の生産地としては、厳しい気候です。家畜を飼い、穀類や飼料作物を育てながら、如何に米づくりを行うか。そんな地域の知恵と工夫が、合理的な水稲直播栽培技術を生み出したのです。イタリア人が米を食べることはあまり知られていませんが、そのことよりも麦や飼料作物を栽培する作業機で、米を合理的に作る技術を進化させてきました。イタリア北部の気候は、北海道とよく似ています。そもそも日本国内の稲作適地は温暖な地帯であり、北海道はその適地ではなかったのです。それを逆に考えると、北海道で成功する米づくりの技術であれば、都府県で失敗することはないということです。現在の国内乾田直播で主流となっている作業機や作業体系のルーツはイタリアの米づくりの技術にありますが、それをベースに、さらに発展した「日本型」こそが、合理的で、様々な気候の地域に適合する米づくりであると自負しています。それくらい自信をもってお勧めできる技術となっています。信用できるか否かは皆さん次第ですが、まずはその方法で乾田直播に取り組み、経営的な成果を出している「乾直人」の方々と語らってみては如何でしょうか?その集いで刺激を受け、まずは試験的に導入してみる。そんなことから、大袈裟に言うと技術革新、農場発展、将来展望の道が、あなたを待っているかもしれません。常に課題を与えてくれるから面白い「乾直人」は既成概念に囚われない方が多いので、絶えること無く課題を探し続けます。誤解を恐れずに言えば、もっと良くしたいとか、もっと稼ぎたいとか、もっと楽しく仕事がしたいというように、突き詰めるとその理由は割とシンプルです。農業には多くの投資が必要となるのは皆さんがご存知のとおりで、これについては、中世ヨーロッパ時代にケネーが「借地農論」で「富が農業の大きな原動力であり、よい耕作のためには多くの富が必要だ」とまとめています。例えばレーザーレベラー、プラウなど乾田直播の作業体系に必要な作業機は、施肥機やスプレーヤー、コンバインなどを除いても、投資額は約2,000万円ほどになるでしょう。これは住宅一軒の建設に相当する金額で、事業であれば、業種に関係なく思い切った起業ができる金額に相当します。その価値をしっかり理解している人は、見栄を張った投資や、回収を疎かにしない、言い換えると沢山お金を掛けたからには、真面目に増収、増益することを実践できています。最後に、乾田直播を上手く経営に取り入れて成功するための3つの心得をお伝えします。第一に土づくりを継続できることです。当たり前ですが、水田は水を溜めるように作られています。土を乾かして畑で利用する作業機が縦横無尽に動けることが前提です。乾直に限らず、土づくりは農業の命題ですから、継続的に土づくりをできないと取り組めません。二つ目は資金を調達でき、その回収を考慮した経営計画を立案した上で、ダイナミックな作業体系の変更が思い切ってできることです。乾田直播の作業体系で必要となる作業機は、他の作物と共用できるので、発展的な経営計画が策定できると思います。最後に自己責任が取れることです。何事も自己責任が取れないと物事を進めてはいけない、始めてはいけないと考えます。土づくりにせよ、投資回収にせよ、決定して行動するのは自分です。新たな物事に取り組む覚悟をしっかり持つことが必要です。この3つを心得て頂ければ、全力でサポートさせていただきますので、安心して「犠牲者」という名の挑戦者になってください(笑)。乾田直播栽培ほ場での収穫作業(イタリア)様々な作物の播種に共用できるドリルシーダー齊藤義崇氏 1973年、北海道生まれ。栗山町在住。 2014年、北海道庁を退職し、実家の農業を継ぐ。道庁普及指導員時代は、 栽培だけでなく、経営も含め、農業者の育成に尽力し、農業法人の設立支援、経営試算ソフト「Hokkaido_Navi システム」の開発、乾田直播の推進、 水田輪作体系の確立などに携わる。2015年からスガノ農機技術顧問として土づくりや技術サポートを行う。10

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