2021年 下期 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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播いた種は出る!水稲の乾田直播代掻きをせずに、麦用のドリルシーダーで乾いた田んぼに種を播く水稲の乾田直播。泥だらけの作業から解放され、長靴ではなくスニーカーでOK。播種作業までの工程がトラクタで完結できるスマートな栽培方法です。効率的・合理的な手法として、海外の農業先進国では当たり前に行われてきました。これが、「日本型」として確立するまでには、「播かない種は出ない、播いた種は出る」を信条にしたチャレンジャー達の、数多くの失敗と成功があり、それらの実践により確かな技術としてブラッシュアップされてきました。なかでも、転作での麦大豆栽培に真剣に取り組む方々が行ってきた「水田畑地化」が乾田直播の栽培方法を確立する上で大きく役立ちました。「水田畑地化」の黎明期を振り返ると、米の生産を抑制する減反政策が進む中、ガット・ウルグアイラウンド交渉を経て、麦や大豆、飼料作物など、水田地帯には珍しい作物を田んぼで見掛けることが多くなっていました。その頃、アメリカやオーストラリアの大規模栽培技術を参考にした米づくり政策として、乾田直播の試験栽培が始まり、国の農業試験場(現農研機構)で検討が行われました。これは近年の乾田直播普及の基礎となりましたが、残念ながら実質的に普及するには至りませんでした。その後、水田転作は強化され、水稲を休耕して水田で畑作物を作る政策がさらに押しすすめられます。そんな中、転作制度を守るために、水田で米以外の穀類栽培を行うという受け身の姿勢に違和感を感じた一部の農家が、自分の意志で「水田畑地化」に取り組み始めました。これが乾田直播栽培を成功させる素地となった「水田畑地化」の始まりです。政策に従うのでは無く、自ら変革を求めるという姿勢は、乾田直播に取り組む農家にもしっかり受け継がれています。水田経営を進展させるキーワードとして取り上げられることの多い「乾田直播」。皆様の「それって何なの?」に、スガノ農機技術顧問の齊藤義崇氏がお答えします。誤って農道に播種した種子が芽吹く。まさに感動(乾道)直播です。このように、播いた種は必ず発芽します。当時使用されていた播種機05001000150020002500300029722007年26992012年21292017年中国・四国0500100015002000250030004392007年7152012年5092017年九州0500100015002000250030002482007年8432012年14232017年北陸050010001500200025003000712007年772012年502017年近畿08

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